小岩 明日香 Asuka Koiwa
先にお伝えしますが、私のことを少しでもよく知っていただきたく思い、つい長くなっております(^_^;)
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小岩 明日香のフルート人生
出会い編
まずはフルートとの出会いから。
9歳のとき、小学校の吹奏楽同好会に入るとフルート担当になり、フルートを吹き始めました。
そこに私の意志はなく笑、風邪をひいて学校を休んでいる間に、顧問の先生によって楽器決めが行われておりました。
このように偶然吹き始めたフルートですが、大好きで情熱があったというよりは、なにごとにも興味のうすい私は、できること以外やりたくなく「フルートが1番できるから」という理由のみで、中学・高校と吹奏楽部でフルートを続けます。
とにかく数字が好きで理系科目が得意だった私、高校では理系クラスに進みます。
が、高2の終わり頃、当時の吹奏楽部顧問にそそのかされ(音楽科に進んだら医者と結婚してホール付きの家に住んでコンサートし放題だぞ、と言われた。ひどい笑)、
というのは半分冗談ですが(半分は本気)、当時看護師を目指していたにもかかわらず、自分に看護の精神なんてないことに気付いていたため、「圧倒的に音楽のほうが勉強したい!」と思い、進路変更をします。
そんなわけで、高3になる頃になって初めてフルートを先生に習い(北海道は広いので、片道6時間かけて札幌まで通ったよ)、ピアノを習い、声楽を習い、ソルフェージュを習い、楽典を習い、受験に備えました。
当時の自分、よくやったと思う。
1年に満たない準備期間で希望の大学には入れたものの、部活の顧問の先生には「おまえは数学と初見試奏で受かった」と言われ。
たしかにセンター試験の数学はよくできた。笑
大学・大学院を経て社会人に
先生の言っていたこともあながち間違ってはおらず、釧路市の実家を出て札幌の大学に入ってからは、とにかく自分の無知さを思い知らされます。
クラシック音楽に触れたことがなかったので、シンフォニーが交響曲だってことも、コンチェルトが協奏曲だってことも、そしてそれらが何なのかも知らない。笑 フルートの曲もひとつも知らない。笑 あまりにもピアノが弾けないために、ソルフェージュも和声の課題もちんぷんかんぷん。
大学4年間でわかったことは、私はフルートを吹くのが好きだってこと。
そんなものですよね。
その後、大学院に進学し、音楽の勉強を続けました。
修士論文のテーマでは、現在のキーシステムのフルートがこの世に登場してから、その奏法が確立されるまでのことを取り扱いました。
そのテーマならば、フランスのフルート作品をよく調べることになるのは自然なことです。
そして思いました。
フランスに行こう。
この先フルートを吹き続けるなら、ぜったいにフランスに行こう。
作曲家が何を見て何を感じて作曲したのか、旅行でもいいから一度はフランスの風を感じに行こう。
実際に私がフランスに行くことになるのは、大学院を出てから3年後のことです。
大学院修了後は引き続き札幌に住み、フリーの奏者として働きました。
レッスンのお仕事も演奏のお仕事もありがたいことにたくさんいただき、コンサートも積極的に行いました。
まだやっと一人で暮らしていける程度でしたが、音楽で仕事をして生きていく、というのは幸せな生活でした。
私のフルートの生徒さんは皆さん優しく朗らかで、フルートを通して心から音楽を楽しんでおり、レッスンにも積極的に通ってくださいました。目に見えて成長されるので、レッスンのやりがいもとても感じておりました。
このようにお仕事はそこそこ充実しておりましたが、それとは裏腹に
「もっと勉強したい、もっとうまくなりたい」
という気持ちは募っていきました。
そう思えば思うほど、このまま札幌で仕事に追われる毎日じゃ自分の成長は難しいのでは、という考えになっていきます。
今ならば、札幌でフリーで活動しながら勉強する方法もあるはずだと思うのですが、その頃は学生から解き放たれたばかりで、定期的なレッスンのなくなった状態が不安だったのかもしれません。
そして、大学院のときに考えていた「フランスに行きたい」気持ちが強くなります。
思い立ったものの、すぐに留学をするには経済的な問題もありました。
それで、札幌でソロリサイタルに出演したのを最後にいったん地元に戻り、1年間の期限付きで高校教員として働かせていただき、態勢を整えました。
その後、ようやく留学準備に取りかかり、、
そしてフランスへ (2013年)
2013年 渡仏。
一度きりの旅行どころか、パリの美味しいお料理とワイン、本場の芸術の数々にすっかり魅了され、ついついフランス滞在が長くなってしまいました(^_^;)
友達には、「え、フランスに飲みに行ったんだよね?」と言われる始末。
否定もできず。
フランスで勉強していくうちにわかったのは、音色がいかに大事かということ。
私はなんとなく小器用に吹けていて、素晴らしい教授陣のご指導のおかげで音楽もめきめき吸収していたのですが、留学4年目にして、自分のフルートの音色がフランスでは全く通用しないことを思い知らされます。
(ちなみに最初の留学は3年間で、一度日本に戻り3年働き、その後再留学。
なので留学4年目は2019年になります。)
そこから音色について研究し、悩みに悩み、たどり着いたのがなんと歯列矯正です。
先生には、音色のイメージをよく持つように、と言われていたのですが、そのイメージが実を結ぶことがどうしても想像できず、そのうちに音の立ち上がりも全然うまくいっていないことに気付き始めます。
私の歯というのは非常に上顎前突(要するに出っ歯)の状態で、それが年々ひどくなっており、前歯がじゃまで口を閉じるのにも違和感があるほどでした。
いつだったか尊敬する伴奏者様に、「そういう音が必要なときもあるけど、ここはそういう音じゃないんじゃない?少しぼやけているよ。単純に口の穴が開き過ぎてるんじゃない?」と言われたことも思い出しました。
(伴奏者様のご意見はいつでも的確、言葉の選び方も秀逸)
口を閉じることすら難しいこの歯の状態で、アンブシュアをどうにかしようなんてそもそも無理があるのでは、、ということをうすうす感じ始めたのです。
フランス語をほとんど話せない私が(あまりにも勉強をさぼった)、パリで歯列矯正をするのは簡単なことではありませんでした。
しかし、この歯並びのせいで良い音が出ないのかもしれない、、という思いを抱えたままこの先フルートを吹いていくのは耐えられませんでした。
歯列矯正をしました
私が選んだのはワイヤー矯正で、上の歯は裏側、下の歯は表側矯正でした。
矯正中は何もかも前に進まない気がしていた時期もありましたが、コロナ禍で世の中全体が停滞していたときでもあり、それにまぎれて過ごしました。笑
そんなご時世で、本番がない今がチャンス!と思って治療をしていたにもかかわらず、途中ありがたいことにリサイタルの機会をいただいたりして、矯正の不自由さと奮闘しながら試行錯誤した日々も懐かしいです。
その時の矯正の具合でどうにもできない問題もやはりあり、バサバサの低音と慎重過ぎる連続タンギングが世界ライブ配信されてしまったのはいい思い出(^_^;)
どんなものかと気になる方はコンサートの様子ご覧ください。
(12:55~ 2曲目Grovlezの冒頭が低音メロディー、そしてこの曲後半がタンギングの箇所)
矯正にかかった期間は1年半と、標準と比べるとかなりのスピード治療でした(たいていは最低2年と言われる)。
矯正終了後に食べたお寿司の美味しかったこと、、
(歯列矯正中の最大の悲しみは、ご飯が美味しく食べられないこと。美味しさ7割減。)
矯正が取れたその足で、当時の大家さんが営んでいるお寿司屋さんに行きました。ビールを飲み、前菜からのコースでお寿司を食べ、デザートに大福までいただき満足していたら、なんと大家さんがご馳走してくださいました。そんなつもりだったとはつゆ知らず、ひとりで昼間っから2杯も飲んでごめんなさい!
このようにして2021年の12月に歯列矯正が無事終了し、帰国しました。
帰国 (2022年) 矯正後の話
今ではようやく矯正後のリハビリ期間も抜け出し、快適なフルートライフを送っています。
歯並びが良くなったから出来ること、たくさんあるのです。
ここでは伝えきれませんが、本当にたくさん。
そして、歯並びが悪かった私だからわかってあげられることもあるのではないかなと思っています(^^
歯並びや歯列矯正についての情報でしたら出し惜しみはしませんので、ご質問があればお問い合わせくださいね。
急にこんなこと聞いて失礼かな、など、全く気にする必要はありません!
私も初めは、歯列矯正しながら楽器が吹けるのか、歯並びが変わってもフルートが吹けるものなのか、不安で不安でたくさん調べて、それでも満足な情報が得られなかった経験がありますので、お気持ちわかります(^^
歯並び関係でなくとも、音色をもっと磨きたい!という方も、私が散々考え抜いてきたテーマですので、お役に立てることがあると思います(^^
フランス留学についてもご質問があれば、そちらももちろん!
自力で留学したい方の手助けが出来ればと思います。
読んでくださってありがとうございます。
フルートを通して誰かのお役に立てることがあれば、こんなに幸せなことはないですね。
音色探しの楽しい旅はこれからも続きます♪
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経歴
釧路市出身。北海道釧路湖陵高等学校、北海道教育大学札幌校芸術文化課程音楽コース卒業、同大学大学院修士課程修了。パリエコールノルマル音楽院にて高等演奏家ディプロムを取得。
釧路新人演奏会にて釧路市教育長賞、また2019年釧路音楽協会高後賞を受賞。これまでに札幌市民芸術祭新人音楽会、道立三岸好太郎美術館ミニリサイタル、JRタワーそらのコンサート、釧路市芸術祭ONKYOコンサートなど、札幌市・釧路市を中心に様々な演奏会に出演。
2010、2013、2015、2018年に釧路市にて自主企画のソロリサイタルを開催。また2012年、日本演奏連盟主催新進演奏家育成プロジェクトリサイタルシリーズSAPPOROにて、札幌コンサートホールKitara小ホールでソロリサイタルに出演、好評を博す。
2013年フランスに留学。パリエコールノルマル音楽院在学中、室内楽の試験に満場一致で合格。高等演奏家ディプロム取得後は、ソリスト養成課程にて研鑽を積む。また、ヴァンヴ地方音楽院にて古楽室内楽、中世音楽、リコーダーをカリーヌ・モレットン女史に師事。帰国後はモダンのフルートの他、フラウトトラヴェルソの演奏も行っている。
2022年帰国。釧路・札幌でソロリサイタルを開催。現在は道内外で演奏活動を行い、オンラインレッスンを中心としながら、北海道各地・釧路市などで後進の指導にあたる。
これまでにフルートを阿部博光、工藤重典、工藤雅子、室内楽を内田輝、クロード・ルロン、ソルフェージュを故高橋寿子の各氏に師事。
日本フルート協会、釧路音楽協会各会員。札幌フルート協会理事。
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