フルート吹きにとってブレスは大きな問題ですよね。
私もこれについては毎度頭を悩ませています。
しかもどんなに練習でうまくいっても、本番の状態じゃいつもどおりに出来なかったり、、
そんな私も
ブレス長いね!と言われることもあり、
「どうやったらブレスが続くようになりますか?」
「肺活量すごいんじゃない?」
などと聞かれたりしますが、
肺活量じたいは平均とさほど変わりません。
私が息を長く続けるために普段何をしているのかと申しますと、
‘ブレスのための準備’を徹底することです。
さあ、準備のしかたについて、3つのステップで見ていきましょう。
ブレスのための準備
まず大前提として、吹く前に息を吸う必要があります。
「正しい吸い方」が身についているものとして、ここでは私が曲を仕上げるために行っている準備をシェアしますね。
step1 ブレスの位置を徹底的に楽譜に書き込む
これを行うには、ある程度楽譜を分析する力も必要かもしれません。
フレーズの途中で息を吸ってしまうと、演奏がうまく繋がらないことも多いと思います。
まずはフレーズがどこまで続いているのか、よく見極めてブレスの位置を考えましょう。
どうしても1フレーズもたなくて、悩んでしまうこともあると思います。
私もあるのです。
信頼できる先生に見てもらうのが確実で早いのは早いのですが、簡単にそうもいきませんよね(^_^;)
自分で判断が難しい場合、YouTubeなどで何人かの奏者の演奏を参考にし、
自分の現状に合いそうなものを取り入れてみるのも手だと思います。
step2 決めたブレスの位置で吸う練習をする
これ、やったほうがいいんですよ。
ぱっと見て瞬時に対応できる方もいらっしゃると思いますが、私はこの練習を必ずやります。
ブレスマークが目に入ってから反射で吸おうとしても、体全部の準備が間に合わないこともあります。
ブレス直前の音をぎりぎりまで伸ばし過ぎて、ブレスが少し遅れ、次のフレーズの入りがずれこんでしまうこともあります。(←私はどんくさいのでほとんどこれ)
私はこの解決のために、アンサンブルの授業でフルートデュオに取り組んだとき、相方の子のブレスのタイミングをよく観察し、かなり改善されました。
音楽の流れの中で吸う練習ですね。
自分ひとりで演奏していると、つい自分の都合でテンポが揺れたりしてしまいます。
音源を聴きながら一緒に演奏してみたり、メトロノームを使ってテンポの中でたくさん吸う練習をしてみてください。
吸う練習をしておけば、本番でもそこの箇所に来たときに体の準備が自然と出来るようになります。
とは言え、本番って絶対いつもどおりにはいかないのですよね。。
step3 もし万が一足りなくなった場合の補給ポイントも作っておく
この補助ブレスは、私は(Ⅴ)と、カッコ付きで書いておくことにしています。
やっぱり本番って身体がいつもよりこわばってしまったり、違うことに気を取られたり、
そもそもホールに行ってみると(またはピアノ伴奏が付くと)、いつもの練習環境より息をたくさん使うことになったりするのですよね。
私は練習のときでも本番のときでも、ブレスが問題になりやすい箇所では
「今、何割息が残っているかな?」を常に意識しています。
「ここまでで5割残しておく」などと目安を決めておき、
そこで残っていないようなら、万が一のときのために書き込んでおいた補助ブレスも取るようにするなど
ブレスのためにさまざまなことを細かく考えながら演奏をします。
この3つのステップ、やってみてください(^^♪
ここからはおまけの話。
ブレスの音が気になる方へ
息を吸うとき、息つぎの音が気になったりしていませんか?
ブレスの音がうるさいのは、特に女性に多い現象らしいです。
私もこれ、長年の課題だったのですが
最近、解決しました。
(しかしこれは私の場合の話なので、読んでいただいてもなんの参考にもならないかもしれません。興味があればどうぞ。笑)
あるとき、ドイツ帰りのフルート奏者さんが呼吸について言及している記事を読む機会がありました。
そこには、
「楽器演奏の際は吸うことを意識するよりも、長く安定して吐くことに意識を向けたほうが良い」
と書いてありました。
さらに
「普段の呼吸では、吸うときに意識がいき、吐くときは無意識に自由に吐いている、
楽器演奏の際はそれの逆の呼吸のしかただ」
と述べられていました。
それを読んだ私はさっそく
「吐くときに息を安定して保つことができているか」のみ意識を向けて練習をしてみました。
今までうまくいっていないと自覚していた「吸う」ことは無意識にまかせ、考えないことにしたのです。
すると、どうでしょう。笑
気付けば自然と静かに息を吸うことができるようになっていました。
(これは、前提条件として息を吸う体の使い方がなっていないと出来ることではないので、まずはそこをクリアしてから、試していただきたいです。)
何が起こったのか、私の分析ですが
今までの私は、一生懸命「吸う」ことに意識がいきすぎていたため、雑音のするほど激しい息つぎをしないと「吸った気になっていなかった」のです。
「吸おうとしなくていい、体を開ければ勝手に息が入ってくる」
というようなことは、
初めてフルートの師匠についたときに教わっていましたし、今でもその教えはしっかりと覚えています。
しかし、ずーっとそれが出来ませんでした。
出来なかった原因としては、
今回わかったとおり
「吸った気がしなかった」に尽きるのですが、
(これ私だけかな。笑)
安定して息を吐くことに全意識を向けてみたら、吸えたかどうかを気にしなくなったのです。
これだけ長年息を吸うことに体を使ってきたのですから、「息を吸う」という行為はどうやら意識しなくても体が勝手にやってくれるようです。
「これじゃ吸った気がしない!」という状態でも気にせず吹き続け、
同じだけ息がもつかを検証してみたら、
なんのことはない、‘吸えていない’というのは気のせいで、変わらず同じ量の空気を吸うことができていました。
これが出来ると不思議なもので、曲中でもブレスのときのタイムロスが一気になくなりました。
雑音もなくなるため、フレーズの途中でやむを得ず吸う場合に、不自然じゃなくブレスを取ることも簡単になってきます。
このように、意識の矛先を変えるとうまくいくことっていくつかあって、
(余談は続きますよ。笑)
例えば、大きい音を出そう!
と思うとつい力んで音が割れてしまうことってありませんか。
そういうときは、大きい音を出すときのエネルギーを、お腹の支えを意識する方向に持っていきます。
これは、押す方向ではなく、お腹を張ったまま保つことに力を使います。
そうすると、意識がお腹にいったために、口から余分な力が抜けて音が割れることもなくなり、
体を開く方向に力を使っているので、体内の空間を広く使って、いい息の流れでよく響いた音が出せるようになったりします。
(しかしこれも、まずは必要な息の量を使えていないと大きい音はそもそも出ませんので、お気をつけて)
この方法も、最初聞いたときは半信半疑でした。
人づてに、
「fにするときはお腹を膨らますらしい」
という謎情報だけをきいており、
実践してみましたがいまいち、、
という状態でした。
それが最近になり、こういうことかな?
と、私の中では腑に落ちました!
いろんな方のお話を聞くと勉強になりおもしろいですね(^^♪
ちなみに、後半の雑音なくブレスをする方法(無意識にする)と、前半のブレスの場所を決めて練習する方法(意識的にブレスの練習をする)、
一見相反するような感じがしますが
ブレスの音が気になる方は、雑音の少ない呼吸法をしっかり身につけてから、前半に書いたブレスを長く続けるための3ステップに取り組んでみてください。
順番にやればうまくできるはずです(^^
********
最後までお読みいただきありがとうございます♬
オンラインを中心に個人レッスンを行っております♪
北海道札幌市・釧路市での対面レッスンも可能です!
ご質問・ご相談などございましたらお気軽にどうぞ(^^
ブログランキングに参加中です!
記事が参考になったという方はポチッとお願いします♪