フルート奏者 歯列矯正中のデメリットと矯正後の変化

歯列矯正

歯列矯正をした状態でフルートが吹けるのか?

矯正をしてしまったら、アンブシュアや吹き心地が別のものになってしまうのではないか?

歯列矯正を少しでも考えたことのあるフルート吹きにとっては、一番知りたいところですよね。

歯列矯正のメリット・デメリットについては、楽器演奏に関わりのない日常生活の事柄であれば、ちょっと検索すればたくさんの情報が得られると思います。

しかしここでは、フルート演奏に特化した矯正情報をお伝えします。

ちなみに私はワイヤー矯正で、上の歯が裏側矯正、下の歯が表側矯正を行いました。

インビザラインの治療はしていませんが、少しわかることもあるので、それはのちほど言及しますね。

歯列矯正中の治療段階ごとの、詳しい演奏の様子についてはこちらの記事をお読みください。
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フルート奏者 歯列矯正中の演奏

矯正中のデメリットよりも具体的な練習方法を知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
↓↓↓

フルート奏者 歯列矯正中の練習方法

歯列矯正中のデメリット

まずは矯正中のフルート演奏に関するデメリットについて、私が思いつくままに箇条書きに挙げていきます。

  • 矯正装置が着いている期間は100%の演奏は不可能。

(何パーセントなら可能なのかはその治療段階によります。どこまでは出来てどのようなことが出来なくなるのか、詳しくはこちらの記事「フルート奏者 歯列矯正中の演奏」を読んでみてください。)

  • 毎日違うアンブシュアになるので、一喜一憂しやすい。

矯正中、歯は日々少しずつ動くのです。
とってもいい音が出た翌日にはバサバサの音になったり、コンディションは毎日違います。

それにめげずに、「ふーん、今日はこんな感じかぁ」と冷静に分析するくらいの心持ちでいることをお勧めします。

ちなみに私の歯は特別に動きが早く、調整した直後は2時間もあれば1㎜は動いていました。
動けば動くほど、痛いです。
治療が進んでいると思うと嬉しい痛みではありますが、、

  • 私の場合はこの治療が1年半続いた。

これは劇的に動きが速いケースの治療期間で、全矯正の場合は通常2年以上は覚悟する必要があるようです。
また、部分的な矯正の場合はもっと早くに終わることもあると思います。

  • 楽器を吹くと歯が押されて痛むので、長時間の練習が出来ない。

私は一番痛いときは一度に10分以内ずつ、細切れにしか練習できませんでした。
この時期は、トータルで1日1時間も練習すればもう十分です。

  • 具体的には、リッププレートを押し付けている下の歯が痛い。

私は下の歯は表側矯正だったので、リッププレートを当てることによって、ワイヤーを口の粘膜に押し付けることになりました。
まずはこれが痛いけど、ワイヤーがある分、唇が浮いてしまうので、押し付けないと音が出ないのです。

吹いていても痛いし、楽器を押し付けることでより歯が動いているらしく、楽器を離した後も、歯が動いたとき特有のじんわりした痛みが残る。

  • 裏側矯正をした場合、タンギングが絶望的に痛い。

すぐにどこかの金属に舌が引っかかり、バチンってなる。
もう怖くておそるおそるのタンギングしかできなくなる。怖い。

  • そんなわけで、大きな舞台はかなり無茶(だけどまるっきり不可能でもない)。

吹ける曲もたくさんありますが、大きな跳躍やタンギングを連続して素早くおこなう必要がある曲などは、難しい可能性があります。
あと、時期によっては長時間の練習が難しいので、長大なプログラムは厳しいかもしれません。
そして器具調整直後の本番はお勧めしません。吹き方が変わってしまいますので。
本番が決まっていれば、調整に行く日を本番後にしてもらったほうがいいです。

  • もし抜歯をする場合は、傷口がちゃんと閉じるまで要注意。

抜歯後、もういいだろうと思って無理に練習をすると、傷口が開きます。
このような事態になってわかったのですが、フルートを吹くときって口内を密閉しないと音が出ないようです。
具体的には、舌の両端が奥歯に着いている状態です。隙間なく密着させているのです。
この状態を作るために、思いのほか口内に圧力がかかります。それで、閉じかけていた傷口が開いたりします。

  • 固形物を満足に食べられないのですぐにお腹が空くし、歯磨きがいちいち大変。

ワイヤー矯正の場合、ワイヤーに食べ物がからまるので、とても歯磨き前の状態では練習に臨めません。
そしてワイヤー矯正状態での歯磨きは、ものすごーく面倒なのです。
かと言ってお腹が空いても練習ははかどらないし、練習前に万全の状態にしておく必要があります。

  • お酒を飲んだ翌日は口の中に無数の細かい傷が、、

酔っ払って楽しくおしゃべりしているうちに痛みが麻痺して舌の動き方をあやまり、つい傷だらけになってしまっていたのですね。
こうなると翌日の練習にも響きますのでお気をつけて。

パリのカフェにて 気の置けない友人たちと🍷


そろそろ脱線する予感がするのでやめておきます。

以上のようなことを覚悟してでも治療をしたい!

と思った方はぜひ。

(私は治療を勧めたくないわけではないのです、続きを読んでください!)


私は、歯並びの悪さから、フルートを吹くことに限界を感じたために、治療を決意しました。
(こちらの記事「フルート奏者の私が歯列矯正をしたワケ」参照)

もし、演奏をするためにそこまで思いつめていないなら、無理してする必要はないのかもしれません。

審美的な理由から治療をするのもとても素敵なことだと思います。

ただ、矯正中もフルートを吹き続けるのであれば、上記のデメリットは多かれ少なかれ覚悟されたほうがいいかもしれません。

これらは全て「私の場合は」の話ですので、歯並びがそこまでひどくない方は、治療期間ももっと短いかもしれません。

矯正をワイヤーにするか、表にするか裏にするか、それともインビザラインにするか、どのくらいの時間がかかりそうか

具体的なことは、まずはお医者さんに相談に行くといいと思います。

ただ、これだけは言いたいです。

私のように歯並びのせいでフルートの音色に不安がある方は、断然歯列矯正をオススメします

なぜならば、矯正終了後には新しい世界が待っていたからです✨

矯正終了後の変化

まずは矯正器具が取れたあと、おそるおそるフルートを吹きました。。

今までの吹き方の感覚のまま、音は難なく出ました!

全くガサガサな音しか出ない可能性すら頭の片隅にあったので、第一関門クリアです。

前歯の位置が大幅に変わったため、タンギングをするときの舌をつく位置にしばらく戸惑いました。

長い間まともな練習をしていなかったため、集中力がありません。

もって10分という状態です、、

しかし2,3か月かけてこの状態を抜け出すと、信じられないほどすべてが思い通りにいく世界が待っていました。

  • 音の立ち上がりがクリア
  • 低音も出したいだけ出る
  • 今の楽器では出しづらかった高音のファ♯が簡単に出る
  • 高音全体が従来よりもキラキラ✨
  • 矯正直前に出来なくなっていた、「短く軽く」吹くことができる。全くはずさない。
  • 跳躍する音型をスラーで吹くのが簡単 (←これが一番の衝撃でした。レガートの表現のために今までどれだけの工夫をしていたか、、衝撃を通り越して今までの苦労を思うとがっかりもしたし、今までの自分すごく頑張ってたな、とも思った。)

こんな感じで、劇的に出来ることが増えました✨

これらのことが上手くいかないなど心当たりがあれば、もしかしたら歯列矯正で解決できるかもしれません!


私の本当の音色探しはこれからです。

今後も理想をしっかり持ち、さらに練習に励みます!

以上が私の体験談ではあるのですが、誰もが思いたったときにすぐに治療を行えるわけではないと思います。

時間もお金もすごくかかるので、やりたいと思っても準備期間が必要なこともあると思います。

また、矯正するほどじゃないけど、もしかしたら、、と判断しかねている場合もあると思います。

私は、矯正前もある程度のことは問題なく出来ていたし、吹けない曲はほとんどありませんでした。

ただ、フランス風と言われる洗練されたデタッシェ(舌つき)や音色には及ばず、それらを求めたから矯正を選んだわけですが。

そのような状態で悩んでいる方に、私だからアドバイス出来ることもあると思うのです。

矯正をしなくても、出っ歯なら出っ歯なりに吹くコツがあります。

歯並びが悪いなりの練習方法もあります。

矯正を終えた今だからわかることですし、そのコツをお伝えできると思います。


私は素晴らしい先生方にたくさんのことを教わりましたが、

出っ歯のことは出っ歯の人にしかわからないという、当然のことにも気づきました。

もし少しでも歯並びとフルートについて不安を抱えているのでしたら、お気軽にご相談くださいね(^^♪

インビザラインについて

私はインビザラインの治療を行ったわけではないのですが、矯正終了後に、インビザラインとほぼ同じような、型が作られました。

左上の型がインビザラインに近いものです。

これは、歯の並びを保つため、就寝時につけるものです。
(週に1度 就寝時につけるもので、一生つけ続ける必要があります。)

私の感触としましては、これをつけたままの演奏も可能だと思います。

インビザラインですと取り外し可能なので、練習中だけ外すこともできることはできるのですが

インビザラインの治療では、1日20時間以上、これを装着していなければなりません。

食事中などはもちろん外すことになるので、さらに練習時間にも外してしまうと、計画どおりに治療が進まなくなってしまいます。

個人個人で練習時間は違うと思いますので、30分以内くらいなら外すことに問題ないとは思いますが、
日々何時間も練習される方は、外して練習してしまうと治療が遅れてしまうと思います。

それでしたら、つけたままの演奏に慣れてしまったほうがいいのでは、というのが私の意見です。

ちなみに治療の価格ですが、
私が調べた頃は

ワイヤー表側矯正 < インビザライン < ワイヤー裏側矯正

という感じでした。
歯医者さんによっても違うと思いますので、あくまでも参考までに。

以上が私の歯列矯正のレポートですが、
どの矯正を選んだとしても、結果は裏切らないと思います(^^♪


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